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執筆者の写真舩生 好幸

”生き返った”コガネムシ

更新日:2022年9月6日

~閑話休題・死んだと思った昆虫が見事?に復活~


投稿:舩生好幸(Primary-f代表、ネットショップ向実庵店主)2022.8.31


8月下旬の朝、ベランダでハイビスカスなど鉢植えの手入れをしていると、足元に動かなくなったコガネムシが転がっていました。


青緑色に光る体にゴミもまとわりついていて、つついても動きません。

夜、家の明かりにひかれてやってきたのでしょうが、そこで力尽きて死んでしまったのだ、そう思いました。


そのままにもしておけないので、咲き終わった花や切り落とした葉等と一緒にポリ袋に入れて、台所のごみ入れに捨てました。


〇コガネムシ復活

その日の夜遅く、家の中が静かになると、台所の方からカサコソと音が続いています。

気になったので見に行くと、死んだと思っていたコガネムシがポリ袋の中で動いています。捕まえようとすると飛んで逃げようとします。

「死んだものと思っていたのにこんなに元気になるとは。」いささか驚きました。


コガネムシの餌は植物の葉などですから、一緒にポリ袋に入っていた花ガラや切り落とした葉は食料になったのかもしれません。

死んだのではなく、空腹で動けなかったところに食料があったので養分が補給でき、元気になって動き出した、ということのようです。


コガネムシは、野菜や樹木の葉を食べてしまうので農家などには害虫扱いされますが、せっかく「生き返った」ところを人間(=私)の都合で本当にあの世に送ってしまうのは忍びなく思い、その晩のうちに「戻ってきたらタダでは置かないぞ。」と言い含めて(?)ベランダから外に逃がしました。


〇その前には青白い蛾も

じつはその前の週にも、オナガミズアオでしょうか、青白い羽の大き目の蛾がベランダにやってきて、結局そのままこと切れる、ということがありました。


飛べなくなっていましたが2,3日は前足を動かしたりして生きている様子でした。しかしもう飛ぶ力はないほど弱っていて、こちらとしても助けようがなく、そのまま見送る結果となりました。


〇厳しい自然の摂理を思えば

どんな種類の昆虫も自然の中では、卵から孵って幼虫になり、サナギになり、成虫になる、そのプロセスの途中で命を落とす個体の方が、成虫にまでなれる個体の何倍も多いことでしょう。


そう考えると、コガネムシもオナガミズアオも、成虫にまでなれたことは奇跡的であり、尊いことだ、と、年齢のせいでしょうか、最近の私にはそう思えてしまいます。


美しい蝶ではない蛾(・・オナガミズアオなら美しいとも言えそうですが)や、カブトムシやクワガタではないコガネムシのことを、人間は歓迎しませんが、改めてその姿を見ると、できる限り一生を全うして欲しい、生き抜いてほしい、そう考えてしまいます。


夏の終わりの閑話休題でありました。



イラスト素材:虫のイラストセット
コガネムシは左上の緑色の甲虫です。イラスト素材:虫のイラストセット・出典:https://www.ac-illust.com/




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