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執筆者の写真舩生 好幸

人道支援機関のダイレクトメールから

更新日:2023年2月3日

投稿:舩生好幸(セールスコピーライター)


コピーライティングは一般的なセールス以外にも応用範囲が広いです。


例えば、国際的な人道支援機関のダイレクトメールはセールスレター手法の応用です。

組織の活動や現地の状況を正確に伝え、活動に必要な資金の寄付を募ると同時に支持者や支援者の獲得も目指しています。


また、これらのダイレクトメールは私にとって、コピーライティングの「活きたお手本」の一つとなっています。


〇人道支援機関のダイレクトメール一例

3月下旬、日本ユニセフ協会から届いたダイレクトメールをご紹介します。

ウクライナへの支援を呼びかける内容です。


上の画像がメインとなるレターです。差出人は日本ユニセフ協会会長名義ですが、文章自体はプロのコピーライターさんの作品と思われます。


このダイレクトメールはコピーライティング手法を応用し、読み手にその意図が明確に届くよう工夫されている一方、誇大広告と感じられる表現は登場しません。

むしろ冷静に、厳格に、固有名詞や具体的な数字を用いて、武力紛争が続く現地の様子がつづられてゆきます。


砲撃を受けている都市の名前、被害を受けている社会インフラの列挙、支援の対象である子供たちの数=750万人という大きな数字と、子供たちに深刻な事態をもたらす問題点を列挙するなどして、読むことで現地の厳しい状況が伝わってくる文章です。

そして、現地で実施されるユニセフの活動内容の一端を紹介し、読み手が活動の概要をイメージできる記述も盛り込まれています。


〇画像を中心としたリーフレット

もう一枚、封入されているリーフレット(裏面)です。



トップに掲げた大フォントのヘッドコピーと画像のインパクトが強く、見る人に「私たちにも何かできることはないだろうか」という気持ちを起こさせると思います。


その下にはユニセフの行う支援の例が具体的に、数値等も交えて紹介されます。


その右にはウクライナとその周辺の略地図と、現地の少女の画像。見る人に支援する国の所在と、支援対象となる子供たちの具体的なイメージを提供しています。


文末では、カラー背景に白抜き文字で緊急募金への協力を訴えています。


〇払込取扱票の工夫

同封された払込取扱票にも工夫が払われています。

はしがきに「あなたのご協力が、たとえばこんな支援に変わります。」と題して、金額に対応する具体的な支援内容が書かれています。



この記述によって、例えば「5000円支援すれば、現地に水と衛生キットを1セット届けることができる」と、支援者はイメージすることができます。


これらは「大富豪のような多額の寄付ができなくとも、限られた金額でも、確かに支援ができる。困っている人たちの役に立てる。」と多くの支援者に感じさせ理解させる、秀逸な表現ではないかと思います。


〇まとめ

コピーライティングやセールスレターと聞くと、

「大げさな表現で商品を押し売りするもの」

「詐欺まがいのもの」

などと疑ってかかる向きもまだまだ多いのかも、と感じています。


もちろん、そのような底の浅いものばかりではなく、上述のとおり人道的な志に根差した活動を支えるコピーライティングの成果物も存在する訳です。


コピーライティング発祥の地である米国では、企業等の営利活動のみならず、慈善団体や教会などの活動資金獲得や活動内容アピール、及び支持者獲得のために、コピーライターはたくさんの仕事をしているそうです。


そのような活動の一端を、ユニセフや、WFP(世界食糧計画)、国境なき医師団、といった人道支援機関のダイレクトメール等を通して、日本に住む私たちも垣間見ることができます。


またこの機会に、よろしければ、上記のような機関などに、可能な範囲で結構ですので、志をお寄せになってみるのもよいことではないでしょうか。


(Primary-f代表、ネットショップ向実庵店主)



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