投稿:舩生好幸
「いえいえ、私はそんな大それたことは・・・。」
以前、著名なマーケター・神田昌典氏の著書「稼ぐ言葉の法則」(ダイヤモンド社・刊)を読んで、その中の一文にどきり、としたことがあります。
P.58-59、この本のPART1の、最後のフレーズです。
「私の著書は、はっきり言って、使えば効果があり、お金をもたらす。
だから『神田の話は、お金のことばかり』と誤解されることもあるが、申し訳ない。
稼ぐためのテクニックに見えるだろうが、それは『入口』だけ。
『出口』は――、あなた自身の変革を通じて、世界を変革することなのである。」
この書籍で神田氏は、自らが開発した「新PASONAの法則」というマーケティング/コピーライティングの手法を解説しており、私はこの法則を学ぶ目的で購入していました。
ところが、前述のように神田氏の思いは、当時の私の認識よりはるかに高いところにあった訳です。
この文章を読んで私は、
「いえいえ、私はこの本からコピーライティングのテクニックを学んで、お金が儲かるならそれで十分です。世界の変革だなんて、私はそんな大それたことは・・・。」と、謙遜の気持ち半分、逃げ腰半分で思いました。
しかし、神田氏のフレーズはずっと頭に引っかかり、もやもやした気持ちが残りました。
■もやもやした気持ちを整理すると
「独立して自分のビジネスを持とうとする理由は何か?
会社に頼らず自立して、経済的に充実するのも理由の一つだが、ほかにもっと大切な理由があるだろう?」
「自分が主体的に起こした行動やその成果が、世の中に受け入れられ、どなたかの役に立ち、『自分が信じてきたことは正しかった』『自分だって世の中に役立つ存在だ』、そう、実感し続けることができるように、自分のビジネスを持つのではないか?」
「それはつまり、極めてささやかながら、自分の力で『世界の変革』することにつながるのではないか?」
時間が経つうちに、もやもやしていた気持ちを、(少々格好良く整理して)言い表せるようになりました。
その結果、小さなビジネスと言えども、ただ「お金が儲かればそれでいい」訳ではないことが、私の頭の中で明確になりました。
私の活動の成果を受け取ってくださった方が、対価のやり取り以上に、「これはいいね」「これがあって助かった」など、気持ちに響くような何かを感じて頂けるようにしなければならないし、そうしたい、と明確に思えるようになりました。
上のように書くと格好いいですが、実際は効率が悪くて洗練されてもいない、失敗や試行錯誤の繰り返しです。
そして、できることに限りがあるので、常にご期待に沿えるとも限りません。
ですが日々の活動の根底に、一本しっかりと、拠りどころができた気持ちがします。
神田氏の著書に触れて、少しだけ、私自身の行動への理解が深まったとも思います。
■小さな一歩から、積もり積もって大きな変革へ
目に見えるほど大きいか、気付かないほど小さいかは状況によるとして、
人はだれも、周囲に何らかの影響を及ぼす存在であり、互いに影響しあって生きている。
そう考えることが出来るように思います。
そして、
昨日の反省を踏まえて少しだけ作業の手順を修正してみる、
いつも省略していた1ステップをきちんと行ってみる。
或いは、
週に一度は机上の掃除を行ってみる。
見る人に良い印象を与えられるよう服装に注意を払う。
等々
そんな小さな一歩なら、いつでも踏み出せますし、そのようなことでも、継続して、一貫性をもって行えば、積もり積もって大きな変化になりうると思います。
そういった一人ひとりの変化が、神田氏の述べる「世界の変革」につながるのではないか、笑われるかもしれませんが、今ではそう思えます。
小さな一歩から、できるだけ良い影響を周囲に与えられるようになって、本当に「世界の変革」を目指そうではありませんか?
(Primary-f代表、セールスコピーライター)
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